肛門について
こうした高度な機能を支えているのは、内肛門括約筋と外肛門括約筋の収縮・弛緩機能であり、肛門周囲に広がる網目状の豊富な毛細血管を含む組織がクッションとして働いて密閉度を高めています。肛門疾患はこうした高度な機能にダメージを与えてデリケートなコントロールができなくなる可能性がありますので、早めに受診することが重要です。
痔の種類
痔は、いぼ痔・切れ痔・痔ろうに大きく分けられます。
いぼ痔(痔核)
歯状線の内側である直腸の粘膜にできる内痔核、歯状線の外側である肛門の皮膚にできる外痔核に分けられ、外痔核は知覚神経のある皮膚にできるため、強い痛みを起こすことが多く、内痔核は脱出や排便時の出血が起こります。
どちらも現在は保存的療法で治せることが増えており、特に内痔核は注射による治療で手術せずに治せるケースが多くなっています。
切れ痔(裂肛)
便秘で慢性化や再発を繰り返し、何度も傷つくことで潰瘍や瘢痕を生じて肛門が狭窄してさらに切れやすくなるという悪循環を起こし、肛門ポリープの発症や排便ができなくなって手術が必要になることもあります。早期であれば薬物療法で比較的短時間で治すことができます。ただし、便秘がある場合には再発を防ぐために便秘の治療も同時に行うことが重要です。